後遺障害の解説

頸椎捻挫・腰椎捻挫(むち打ち)の後遺障害

私たちは、特に頚椎捻挫・腰椎捻挫の自賠責後遺障害等級獲得を得意としています。

このような症状の方

  • ・頸部から肩にかけてなんとなく重い
  • ・首筋が痛い、頭痛がある
  • ・脱力感、吐き気、耳鳴り、視力低下、集中力低下
  • 診断書に記載される傷病名

    頸椎捻挫、頸椎挫傷、外傷性頸部症候群、頸椎神経根症、頸椎椎間板ヘルニア、バレ・リュー症候群、胸郭出口症候群、脳脊髄液減少症など

    むち打ちの後遺障害等級

    むち打ちの後遺障害等級は、神経系統の障害に分類されます。
    むち打ちの後遺障害 自賠責保険金
    12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの 224万円  
    14級9号 局部に神経症状を残すもの 75万円  

    むち打ちの後遺障害のポイント

    1. むち打ちについて

      交通事故でお怪我をされた方で一番多いのは頸椎捻挫や腰椎捻挫、いわゆる「むち打ち」といわれる症状です。

      事故にあったその日はあまり症状がでず、翌日や3~4日後に症状がでることもあります。
      症状も、首筋、背中、肩の凝りや痛み、痺れ、上肢の痛みや痺れ、腰痛、頭痛、倦怠感、疲労感、不眠、食欲不振、眩暈、息切れ、吐き気などさまざまです。

      これらの症状が治療により治癒すれば問題ないですが、概ね6か月ほど治療を続けても症状が改善されなくなると、後遺症が残ったということになり、後遺障害の等級認定を受けることになります。

      頸椎捻挫や腰椎捻挫の後遺障害は、12級13号又は14級9号に該当する可能性があります。
      しかし、一般的にむち打ち症状は、後遺障害等級に該当しないと判断されてしまうことが多いようです。
      これは、むち打ち症状は、外見上あるいはX線などの画像診断などにおいて変化がみられないことが多いため、後遺障害等級を認定するために必要な他覚的所見が乏しいことが原因と思われます。

      後遺障害等級認定のポイントを知らないばかりに、本来後遺障害等級が認められる症状にもかかわらず、非該当となってしまう場合も多いようです。

      ですが、むち打ちの後遺障害等級認定のポイントをしっかり押さえ、的確な主張と医学的資料を揃えることができれば、一度非該当になった方でも異議申立により後遺障害等級認定を受けることは十分可能です。

      上記後遺障害等級別表の12級と14級のよると、両者の違いは「頑固な」という文言がついているか否かです。これは痛みが激しいか否かということによって分けられているのではありません。

      12級と14級の差異は、シビレなどの神経症状が交通事故の外傷によるものと医学的に証明できるかどうか、にかかっていると言えます。医学的に証明できれば12級13号、証明まではできないが、医学的に推定できれば14級9号となります。

    2. 神経症状を医学的に証明するためのポイント

      (1)自覚症状があること
      シビレ、痛み、頭痛、めまい、吐き気、だるさなどの自覚症状はすべてお医者様に伝え、後遺障害診断書の「自覚症状」の欄に記載してもらうことが必要です。

      (2)画像所見(MRI画像による神経根圧迫所見など)があること
      画像所見についてはMRIは必須です。通院している病院にMRIがなければ、他の病院ででも撮らなければなりません。

      (3)神経学的検査による異常所見があること
      神経学的検査は、主に以下のような種類があります。

      (頸椎捻挫)
      ・スパーリングテスト
      ・ジャクソンテスト
      ・握力
      ・徒手筋力テスト
      ・筋萎縮検査
      ・知覚検査
      ・腱反射

      (腰椎捻挫)
      ・ラセーグテスト
      ・SLRテスト
      ・FNSテスト
      ・徒手筋力テスト
      ・腱反射
      ・知覚検査
      ・筋萎縮検査
      ・バレーサイン など


      これらのテストで異常所見があれば、必ず後遺障害診断書に記載してもらいます。
      なお、事故当初からのMRI画像は、神経根圧迫状態等の経緯を観察するうえで、重要な役割を果たします。
      そのため、できる限り早い内からMRIの撮影装置を常備した病院に通院した方が良いでしょう。